本来の力強さが戻ってきた。広島・大瀬良大地投手(24)が17日、ランチ特打で打撃投手を努めた。30球を投じ、フェアゾーンへの打球は1本と投球内容で状態の上昇度を示した。

 居並ぶ強打者を力で上回った。最初の打者・ルナへの3球目。中日3年間の通算打率・316を誇る安打製造機から外角直球で空振りを奪うと、威力、キレは投球を追うごとに増す。新外国人・プライディ、エルドレッド、新井に投じた計30球の内訳が圧巻だ。空振りが4、見逃しストライクが8、ファールが6。前に飛んだのは新井の内野ゴロ1本だけで、安打性の打球は0だった。

 「タイミングであったり、多少、バットを押し込めた球もあった。今の段階の、この時期としては悪くはなかった。今日が終わって1歩、2歩前進したと思います」

 直球の最速は146キロ。感覚、打者の反応。いずれも納得だった。

 状態は急激な右肩上がりとなってきた。7日のフリー打撃登板では43球で10本の安打性を許し、最速は138キロ止まり。首脳陣からは、翌日から2日間の「ブルペン投球禁止令」が出された。

 「前回はフォームばかり気にして投げていた。今日は力感を出して、強い球を投げようとだけ考えていました」

 上体を突っ込ませず、上半身と下半身を連動させて投げる。一時は形に意識を奪われ、躍動感を失ったが、10日間で原点を思い出した。

 3年目の今季、開幕投手を1つの目標とする。

 「今、自分のすべきことをすれば、開幕には十分に間に合います」

 逆算は成り立った。大瀬良は本来の姿で調整の階段を1段ずつ、着実に上がっていく。(桜井 克也)

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